2005年07月31日

ラヴェンダーの咲く庭で

しっとりとした本当にイギリス的な秀作。久々にこんなしっとりとした映画を見た。
夏のイギリスは花々がとても綺麗。この作品はそんな田舎の家の庭の風景やイングランド南西部のコーンウォール風景をとても情緒的に描いている。こういう描き方はなかなかハリウッド作品には難しい。人々の心のひだ、そして、田舎ならではの人間関係。とても素晴らしい。
私が以前にコーンウォールを訪れた時は雨だった。プリマスの街は豪雨にさらされたが、ここでも嵐に遭い遭難した船から、命からがら助かった青年の出現で話は始まる。
イギリスはスコットランドの荒涼とした自然も良いが、イングランド南部のデボンシャー辺りからコーンウォールの西の端のランズ・エンドは海辺の景色がとても良い。もちろん、岩礁も多いし、浅瀬も多い為、昔から海難事故の多い難所としても有名。
特にプリマスはコーンウォールの中心的な海辺の街であると共に軍事的にも要衝の地である。
歴史的なことを言えばプリマスからはアメリカへピューリタンの人達が出港した場所としても有名で、アメリカについた彼らはニューイングランドと名づけその街にもプリマスと名づけた。
食べ物的に言うとデボンシャーから西の方はお茶の時間が非常に楽しみだ。特にデボンシャーではスコーンにたっぷりとあのクロテット・クリームをのせて食べるのがおいしいし、コーンウォールはコーニッシュ・パスティ(俗にコーニッシュ・パイ)はとてもおいしく名物だ。
映画の中では、メイドの女性がかなり横柄で妙なパイを作ったりしていたが、シーンとしては出てはいないが台詞の中にこの事が触れられている。特に、遭難事故から救われたアンドレアは好物のようだ。(はっきりとは言っていないのでわからないが、アーシュラがそんな感じで述べている部分がある)
また、映画の中でよく魚が出てくるが、この辺りは漁村が多い。メイドがよく買い物に行ったり、パプなどに出てくる男達や、町の男達の雰囲気がこの事を醸し出している。

さて主な出演者は三人。2人の老婦人だが、実はお2人とも女優として大ベテランである。2人ともイギリスでは超有名でDAMEの称号を持ち、さらにアカデミー賞受賞女優。
一人はジュディ・デンチ。「恋に落ちたシェークスピア」にも出ているし、最近の007シリーズでは諜報部の幹部役で出ている。もう一人はマギー・スミス。とても頻繁に日本で公開される映画に出演しているので見慣れているとは思うが、最近の有名作品では「ハリー・ポッター」シリーズでマグゴナガル教授役で出演している。
そしてもう一人。ドイツ映画では最近、よく出演している。ハリウッドの映画にはまだだがこれからが楽しみなヨーロッパでは若手の俳優、ダニエル・ブリュール。私が彼を最初に見たというか、日本でよく知られるようになったのは「グッバイ・レーニン!」であろう。昨年、恵比寿ガーデンシネマズで公開になったが非常に長い間、上映されていた。これも秀作。一風変わったコミカルな作品。今年になってはBUNKAMURA ル・シネマで少し前まで公開されていた「ベルリン、僕らの革命」で「EDUKATORS(ドイツ語)」を名乗り、体制に流されないで密かに社会への反発を行う青年達の作品。
どちらにしてもとても彼は生き生きとしている。そして、いよいよ、ドイツを飛び出してこの作品。ベテラン女優2人を前にして全く遜色ない演技。これからがとても楽しみである。

1930年代、ストーリーは簡単にすると海難事故で青年がコーンウォールの海岸に打ち上げられた。2人の老姉妹はそれに気づき、青年を救助して家に滞在させる。所がこの青年は全く英語がわからない。そこで姉妹は苦心して何とかコミュニケーションを図ろうとする。ドイツ語が話せる事がわかった姉妹はつたないドイツ語を使ったり、また、英語を教えたりして、青年との交流が始まる。ある時、姉妹は彼はヴァイオリンに興味がある事を知り、村でヴァイオリン(映画の中では持ち主はfiddleと言っていたが)を持っている人を呼んできた。そして、いざ、青年アンドレアがヴァイオリンに触れ、引き始めるとその演奏がとても素晴らしい。天賦の才能を発揮する。周りはびつくり。さてどうしよう…。

静かなマンネリ化していた老姉妹の生活に変化をもたらした青年。その青年との交流がこの映画の見所。そして、その青年との最後のシーンと言うか、別れ。そして、元の静寂な生活に帰っていく所が何とも言えない部分である。
posted by diane at 23:59| Comment(3) | TrackBack(16) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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