2005年08月31日

シルヴィア

久々にシリアス物のグゥィネス・パルトロウの作品を見ました。ちょっとこの所、コメディ系の映画が多かった彼女。ミニシアター系の映画ではある物の
彼女の本当の演技力をここで見る事が出来た。この作品はグゥィネスだからこそ出来たと思っています。「恋に落ちたシェークスピア」でアカデミー賞
を受賞した彼女。ここで本当の彼女の風格あるアカデミー女優らしい演技を見た。
彼女の演じるシルヴィア・ブラスはアメリカ生まれの女流詩人であるが生前は詩人としては余り名が出ず、夫の名声は高かったが彼女は作品が書けない
というジレンマに陥っためか、とても作品が少なく、また、詩の作品自体も迫力あるものとなっている。彼女は桂冠詩人の夫テッド・ヒューズと結婚
したが夫の作品が賞賛され、自分がされない事による焦り、そして、夫の浮気疑惑等に疲れてしまい、最後には心身ともに疲れ、自殺をした。
彼女は後に亡くなって20年後位にピューリツァー賞を受賞している。彼女の作品は、今では大学などでも夫のテッド・ヒューズの作品と共に試作研究の
一貫で使用される事がある。彼女の長編小説「ベル・ジャー」は今でも「ライ麦畑でつかまえて」の女の子版として読まれている。
シルヴィア・プラスが青春期を迎えた時代、アメリカは特に、女性の選択肢がなかった。知性を持った女性でさえ、「家庭に帰り、良妻賢母」が求められた
1950年代である。また、彼女はとても精神的に繊細。自殺未遂もしているし、父親を早くに亡くしているという事で、家庭的に愛に、特に父親の愛情に飢えている
と言えよう。
今回、グゥィネス・パルトロウ自身も父親を亡くしたばかりの出演で、悲しみにくれていて最初、この作品の出演をキャンセルしようとしていた位だと
聞く。しかし、悲しみを埋めるのはやはり仕事、しかも自分と同じ様な感覚を共有しているシルヴィア・プラスに共感を覚え、出演を決めたという。
ここに出ている出演者はとても面白い。夫役は「エリザベス」「ホワイト・オランダー」「ロード・トゥ・パーディション」に出演していたダニエル・クレイグ。
シルヴィア・プラスの良き理解者として出演している名優の故リチャード・ハリスの息子のジャレッド・ハリス、晩年、同じアパートに住んでいた住人の
役のマイケル・ガンボン。そして、何よりもグゥィネス・パルトロウの実の母親、プライス・ダナーが、やはり母親役で出ています。母親と並んで撮影された
グゥィネスはとても母親の面影が残っています。これもまた面白い話題の1つ。
この映画は、シルヴィアが英国に留学しており、結婚生活の大半をイングランドで過ごしていたという事で英国で撮影されています。
例えば、彼女が留学していたケンブリッジ。ケム川のバンティングの様子が出ているのですがとても綺麗。懐かしいです。キングスカレッジの大聖堂
が移っているのを見た時にはとても感激しました。また、結婚してイングランドに戻りしばらくしてからデボンシャーに移るのですが、ムーア(荒れ野)のシーン
はとても懐かしく、デボンシャーで有名なクロテッドクリームを付けたスコーンでお茶をしたかった位です。とても懐かしい。
話は、彼女がスミス・カレッジを卒業しフルブライト奨学金を得てケンブリッジに留学していた所から始まります。才色兼備なアメリカ娘として人気があった彼女は
テッド・ヒューズの詩を読み、とても惹かれ強い感動を受けて会いたくなる。ある日、パーティーで偶然出会い、それが彼女にとって夭折の詩人を生み出して
しまうテッド・ヒューズ本人に出会い、とても惹かれた。それ以来、二人の交際は続き、シルヴィアはテッドの原稿の手伝いをするほど。ある日の
詩の朗読会でテッドは自分の持論をシルヴィアに語り、その晩、彼らは…。その時、シルヴィアは自分の自殺未遂の件を話す。
やがてテッドの作品「雨中の鷹」が賞を獲得し喜び合う二人。結婚し、彼らはアメリカに渡った。アメリカで歓迎パーティのときシルヴィアの母から絶対に
彼女を幸せにして欲しい。見捨てないで欲しいと言われる。母親はテッドに不安と恐れを感じたのだった。
シルヴィアは大学で教職の仕事につくが、思いの外、仕事はハード。それに、テッドが浮気をしているのではないかと疑いだす。その夜、二人は喧嘩。実はテッドもアメリカでは
執筆活動が上手く進んでいなかった。このテッドの女性問題というのはシルヴィアを生涯悩ます事になります。
イングランドに戻った二人。二人に娘が出来る。テッドは詩人として名声を確立していく中でシルヴィアは子育ての中での執筆活動。しかも、書けないでいた。
これは相当な焦りとなった。しかもシルヴィアの作品を認める出版・批評ジャーナリストは一人だけ。
この中でまたテッドの女性問題が浮かび上がる。彼らは田舎に居を構え、落ち着いた中でシルヴィアの詩作環境を整えようとする。現在のロンドンの家は
貸す事にしデボンシャーに引っ越す事にした。借り手はやはり、詩人夫妻。この夫妻の妻が後に問題となる。
デボンシャーで詩作と育児、家事と忙殺されるシルヴィア。しかし、詩は書けない。
ある日、この夫妻が、デボンのこの夫妻を訪ねる。この時、シルヴィアは夫とこの夫妻の妻アッシアとのただならぬ関係に気づくのであった。
しばらくして、テッドが留守にした時、この二人の浮気を証拠付けるものが発見された。シルヴィアは泣きながら、燃やす。
やがて、疲れきったシルヴィアはテッドと別れ、初めてテッドの事を気にかけなくても良い自分に自由を感じた。次々と詩を書く彼女。そのどれもが傑作で
あった。しかし、売れない。
ロンドンに戻った彼女は厳しい冬、金銭的にも苦しい中、子供を抱えて生活していた。階下の親切な老人の存在は彼女の慰めとなった。
やがて、テッドも彼女にまだ未練がある事がわかったがアッシアを捨てるわけにも行かない。
生活できなくなったシルヴィアは夫と仲直りをし、元の二人に戻ろうと未来のプランを肉体関係をしながらも語る。ところがテッドの返事は冷たかった。
アッシアが妊娠。テッドは彼女を捨てられない。愛している。しかし、またも両てんびんにかけようとするテッド。しかし、この事実はシルヴィアを徹底的に打ちのめした。
心身共に疲れたシルヴィア。彼女の取った行動は…?
なかなか、目の離せないシーンが続く。グゥィネス・パルトロウの演技が輝るこの作品はシネ・スイッチ銀座他、全国順次公開予定。

posted by diane at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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