2005年08月31日

Ray レイ

この作品は今やアカデミー賞有力候補として、かなり注目されている。先日のゴールデン・グローブ賞の「ミュージカル・コメディ部門」で主演男優賞でジェイミー・フォックスが受賞
している。
それ以前にも、偉大な音楽業界の大御所として、そして、盲目の天才ミュージシャン RAY CHARLES 彼の名前は有名で、それだけでもこの映画に興味のある人はかなりいたと思われる。
特に、R&B、JAZZ、SOUL、HIP & POPS、カントリー、ロック等など、挙げたら切りが無い位に彼の音楽は多大な影響を与え続けてきた。その人物を演じると言う事は多大な苦労がこの主役の人物には
かかっていたと思う。
余り、この分野の音楽は得意ではない私でも彼の名は知っており、映画の中で使われた彼の曲はどこかで聴いた曲が多かった。それぐらい彼の音楽は至る所で愛され使われ続けているいる。
この映画の企画は何年も前からあり、ジェイミー・フォックスはレイ・チャールズ自身がオーディションして決定したと聞いている。そして、この映画は製作されたのだが、彼自身は公開直前の
ほんの数ヶ月前に亡くなり、この映画は結果的に彼へのトリビュート作品となった。偉大なるレイ・チャールズの冥福を祈る。
作品はレイ・チャールズが目が見えなくなる少し前から始まる。彼は幼少の時は差別の多い南部の貧しい家で育った。まだ、彼の目が見えている時に彼は弟を失っている。この事実はこの映画では
とても大切なレイ・チャールズがなぜそういう行動をとったかと言う事の全ての伏線になっている。
彼は厳しい母親に育てられ「盲目でも馬鹿ではない。自分の足でしっかりと立つ事」を躾けられて育った。彼は苦労人である。黒人であるが故の差別、盲目であるが為に騙そうとする人達。そういう人達にも
打ち勝って彼は、現在の地位を築いた。しかし、彼は音楽という才能を神様からもらったと同時に彼の苦悩は始まるのだった。ミュージシャンとして認めてもらうまでの彼の長い下積み生活。音楽がより、ハイに成る為に手を出してしまった
彼。しかし、彼には、事実かどうかわからないが「弟を見殺しにしてしまった」という心のトラウマとの闘いがあり、これが彼の一番の苦悩であったと思う。作品の随所にそのシーンがちりばめられる。
彼の名が高まるに連れその思いは強く、薬から離れる事ができなくなるのだ。
また、もう1つの彼の音楽の原動力は女性関係である。彼は普段、隙を見せる事ができない生活を送っていたせいか女性の前だはまるで借りてきた猫のようだ。彼だって人間。いくら、母親の言いつけと言えども
甘えたい時はあると思う。彼は父親の話をしたが(家庭が3つあった)、彼はそんな父親の様にはなりたくないと思っていたけれど女性関係はかなり派手で色々な女性と付き合っていたようだ。子供も出来ているみたいだし。
しかし、家族を捨てる事は決してなかった。女性関係に甘い彼でも、妻を捨てる様な事は決してしなかった。かなりヘヴィなジャンキーな彼だったが家族、そして、天賦の才能を唯一示せる音楽の前には薬を絶つ決意をし、
実行する。大変な精神力だ。しかし、それを振り切る為には彼の場合、心のトラウマ戦う必要があった。それをも自分で克服していった。
しかし、彼の音楽は人生の歌。彼の音楽は彼そのものなのだ。彼の細かい人生の軌跡は映画を見てわかって欲しい。
レイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスは本当に素晴らしい俳優だ。彼を認識したのはつい最近の事だがトム・クルーズと共演の「コラテラル」でアカデミー助演男優賞のノミネート。当作品では主演男優賞のノミネート。
実力派である。また、演技に掛ける真摯な姿勢。これを抜きにしてこの映画は語れない。もしレイ・チャールズ自身がこの結果、この映画自身を見たらきっと大変喜んだに違いない。
彼を指名したのは何よりレイ・チャールズ自身。そして、色々と彼に自分自身を教えたのもレイ・チャールズ自身である。だから、ジェイミー・フォックスはレイ・チャールズの分身と言ってよいであろう。
最高の演技者だ。
そして、レイ・チャールズ自身の偉大な功績。彼と一緒にセッションを組んだり会って話をしたりしたミュージシャンは彼の事を光栄に思い、今後の音楽活動により一層磨きが掛かると思う。そう、思いたい。実際、現在もう既になを残している
ミュージシャン自身がレイ・チャールズへのオマージュを述べているのだ。やはり、彼は偉大だ。
この映画を見た後、私は本当に勉強不足で申し訳ないが、この映画のサウンドトラックを買い聴いた。何か懐かしい香りがした。とても良い。
こうやって改めてじっくり聴くと本当に彼の音楽の質の高さが理解できる。彼を失ったのは音楽業界での損失だ。
また、レイ・チャールズと言えばサザン・オールスターズの「いとしのエリー」を歌った事でも日本では特別人気がある。彼の遺作の「ジーニアス」では収録されている。
音楽だけではない。彼は南部の黒人文化の支えでもあったであろう。1960年代は南部は考えられないが白人と同一の権利がなく、隔離されていた。これは区別ではない。差別だ。そして、それに抵抗して彼は、南部の黒人達に勇気と希望と
最後には、自分達の文化を根付かせたといってよいと思う。
あの名曲「我が心のジョージア」が1979年にジョージア州の州歌になり、彼の帰郷が許された時、それは成り立ったと言えよう。この時代はたしか、ジョージア州出身のジミー・カーターが大統領だった時だ。
レイ・チャールズ。アメリカの真髄の音楽を身をもって表現した偉大な盲目の天才ミュージシャン。彼の名は永遠だ。
また、この映画で彼を演じきったジェイミー・フォックスにも拍手を送りたい。

レイ・チャールズ スーパー・ベスト 〜オリジナル・サウンド・トラック: Ray 〜
メス・アラウンド
アイヴ・ガット・ア・ウーマン
ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー(ライヴ)
こぼれる涙
ザ・ライト・タイム
メリー・アン
ハード・タイムス
ホワッド・アイ・セイ(ライヴ)
我が心のジョージア
ヒット・ザ・ロード・ジャック
アンチェイン・マイ・ハート
愛さずにはいられない(ライヴ・イン・ジャパン)
ボーン・トゥ・ルーズ
バイ・バイ、 ラヴ
ユー・ドント・ノウ・ミー(ライヴ)
レット・ザ・グッド・タイムス・ロール(ライヴ・イン・ジャパン)
我が心のジョージア(ライヴ・イン・ジャパン)

posted by diane at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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